2010.4 プノンペン事務所 眞野ちひろ

仕事に復帰しました

 日本で女の子を出産後カンボジアに戻り、本年2月よりASACの活動に復帰しました。多くの皆さまのご理解とご協力のおかげで産休と育児休暇を頂くことができました。本当にありがとうございます。今回はカンボジアでの子育てについて書きたいと思います。  子育てに限らず、日本とカンボジアで決定的に違うのは、日本ではだいたい全てが決まっていて、カンボジアではだいたい全てが決まっていないということだと常々感じます。 日本の子育てであれば、離乳食の進め方があり、哺乳瓶の飲み口も段階的に変えていくことが常識で、お風呂の入れ方や洋服の着せ方にも一定の決まりがあります。

 一方、カンボジアには子育ての本や決まり事が少ないので、母親たちは分らないことがあれば周りの女性に聞きますが、割と自由に子育てをしているように見えます。お風呂など、私の娘はカンボジアに着いた初日から、おばあちゃんにたらいに突っ込まれ、冷水をザッバーンと頭からかけられていましたが、結構平気なようでした。また、これを言うと日本人は驚くのですが、カンボジアの子どもはオムツをしていません。つまり垂れ流しです。しかし、カンボジア人は大家族で暮らしており、祖父母をはじめ夫婦の兄弟など多くの人が子育てを手伝ってくれますので、たとえ赤ちゃんがお漏らしをしても、誰かが床(絨毯ではなくタイルか板の間)を拭いて、誰かが赤ちゃんを洗って、また他の誰かがタオルと新しい洋服を用意して、というようにあっという間に事が済んでしまうのです。オムツというのは忙しい親の都合で開発されたものなのだ、ということにカンボジアに来て私も初めて気付かされました。ただし、蒲団の上で寝るときだけはオムツをしますが。
 カンボジアの子育てで私が一番気に入ったのはハンモックです。暑いため子どもは殆どだっこされず、ハンモックに揺られて一日の大半を過ごしていますが、私の娘もこのハンモックがどうやら気に入ったらしいのです。日本にいる時は毎日大泣きして私を悩ませていたのが、カンボジアに来た途端にピタッと止まり、皆から「けまら(娘の名)は泣かなくて手のかからない子だね」と褒められるようになりました。相違点ばかり書いてきましたが、もちろん子育ては万国共通だと思うことも多くあります。授乳の後にげっぷをさせることや、赤ちゃんを寝かしつける方法などは同じでした。
 ところで、出産と子育てを経験して、ひとつASACの活動に役立ったことがあります。それは、カンボジアの地方を訪問して出会う子どもたちが、自分の子どものように可愛く見えるようになったことです。これまで実は、私はよその子どもを見てもそれほど可愛いと思わず、冷静に観察していたのですが、最近ではたとえ泥まみれ垢まみれの子どもでも、すべての子どもが可愛く見え、声をかけずにはいられないので、これはすごい心境の変化だと思いました。きっと今後ASACの活動をしていく上で、受益者である子どものことをより親身に考えられる自分に成長できたのではないかと、嬉しく思っています。