2010.10 プノンペン事務所 浦田 富貴美

カンボジアの教室

 ASACのプノンペン事務所で働き始めて3カ月が過ぎようとしている。まだまだ不慣れな点が多く、一つ一つ周りの皆さんに助けて頂きながら何とかやってきたというのが実感である。分からないことだらけの私に、親切丁寧に教えてくださる皆さんに感謝の思いでいっぱいである。この感謝の気持ちに応えられるよう、さらに努力し、少しでもお役に立っていきたいと思う。


JICAでの活動時期のコーコ小学校の様子
(コンポンチャム州)
 さて、ASACの事業の一つである学校建設で、学校視察を何度か行ってきた。また、以前関わっていたJICAのボランティアの活動でも、教育実習の視察や小学校訪問などでカンボジアの小学校の教室を訪れることがあった。そこで、いつも教室に入って一番に感じることがある。それは、「暗い」ということである。なぜ、「暗い」のか…。理由は、教室には「蛍光灯」がないからである。電力の十分でないカンボジアでは、小学校の教室に「蛍光灯」がないのは当たり前である。「蛍光灯」がなくても、天気のいい日は、窓を開ければ少しは明るくなる。しかし、曇りの日や雨の時は、窓を開けていても外が暗いため、さらに暗く感じるだろう。また、太陽の日差しが入ってきたり、雨や強い風をよけるために窓を閉めたりすれば、教室の中は一段と暗くなる。なぜなら、カンボジアの教室の窓は、木や鉄などで作られた窓であるからである。
 では、日本の小学校はどうだろうか。私はカンボジアに来る前は、福岡県の小学校で担任教師として働いていた。毎朝、教室に行くと、早く来た子どもたちが窓を開けてくれている。「窓」と言っても、透明のガラスの窓である。だから、教室に入っても、さほど「暗い」と感じることはない。あえて言うならば、「少し暗い」である。しかし、授業が始まる前には、どんなに天気の良い日でも、ほとんど毎日、蛍光灯をつけて勉強している。なぜなら、蛍光灯をつけないと「少し暗い」からである。さらに、透明の大きな窓ガラスから差し込んでくる太陽の日差しが眩しく、カーテンを閉めることが多い。そうすれば、さらに教室は暗く感じるからである。日本の小学校では、蛍光灯をつけることが当たり前である。蛍光灯は、1mくらいの長さのものが設置されている。教壇の中央に一つ、教室前面に2つ1組になった蛍光灯が2組、後ろに同じく2つ1組の蛍光灯が2組、合計すれば蛍光灯は1教室に9つあることになる。理由は、…。暗い教室で本を読んだり、字を書いたりすれば視力が悪くなるからだろう。
 日本では、視力の悪い人が多い。私も、もちろんそうである。眼鏡がないと生活できないほど視力は悪い。でも、カンボジアの人はどうだろう。カンボジアの人の視力はとてもよいと感じる。眼鏡をかけた私が見えないものでも、見えているということがよくある。どんなに「暗い」教室で勉強していても、視力は悪くなっていないと考えれば、すごいことだと思う。しかし、やはり「明るい」ほうがいいにこしたことはないと思う。いつか、カンボジアの教室にも「蛍光灯」がつき、明るい教室になることを願ってやまない。