2012.8 プノンペン事務所 浦田 富貴美

カンボジアの交通規則

 カンボジア政府は、8月3日に新しい交通規則の法案を公表しました。その法案には、制限速度の減速や罰金の値上げ、バイクの乗客のヘルメット着用の義務化が示されています。これらは、カンボジアの道路での交通事故による死傷者を減らるす為の措置となります。
 バイクに乗車できる人数も2名に制限されます。その乗客がたとえ子どもであったとしても2名に制限され、そのどちらともがヘルメットを着用しなければいけないということになります。また、最高速度に関しては、時速90qから80qへ。市内では、制限速度を時速60kmから40kmとなります。さらに、罰金については大幅な変更が見られます。車の無免許の運転の場合、これまで125,000リエル(約$31)だった罰金から、新しい法案では百万リエル(約$250)となるようです。運輸大臣のTram Iv Tek氏は、「交通事故の95%が人間による過失事故であり、このような法案の修正は、交通事故の数を減らすために必要不可欠だ。」と話をされました。(8月4日付Cambodia Daily より)。

家族で1台のバイクに乗っている様子
 カンボジアでは、2009年1月1日に、「バイク運転手のヘルメット着用義務」が新しく法律化されました。この法律施行にあたり警察も取り締まりを厳しくしたため、プノンペン市内はもとより、当時コンポンチャム市内に住んでいた私の家の周りでも厳しく取り締まりが行われ、だんだんとヘルメットの着用が浸透していきました。しかし、依然と後ろに乗る人へのヘルメット着用義務は通達されませんでした。これまでヘルメット着用なしでバイクを運転してきた人たちに、いきなり運転手も乗客も着用を義務化するのは難しいと考えたからでしょうか。まずは、運転手からの取り組みです。
 しかし、乗客も運転手もバイクに乗っているのは同じことであり、事故にあった際に、飛ばされる危険が大きいのはむしろ後部座席の乗客の方です。また、「一家に一台の車」ではなく、「一家に一台のバイク」の要素がまだまだ大きいカンボジアでは、お母さんに抱かれた幼い子どもや赤ちゃんが後部座席に乗っています。運転手がお父さん、その後ろに幼い子どもが立ち乗り、その後ろに赤ちゃんを抱いたお母さんが乗っているという姿は、カンボジアではまだよく見かける光景です。タオルに包まれただけの赤ちゃんが乗っているバイクが転倒したことを考えただけでもぞっとします。

 2011年度のカンボジア国内の事故発生件数7,657件の総件数に対して、交通事故は5,096件。なんと事故総件数の66.55%を交通事故が占めています。(内務省資料より)交通事故の原因は、スピード違反やヘルメットの無着用によるものがほとんどだと言われています。今後、この法案の公表によりカンボジア国内でもテレビやラジオなどで、人々にヘルメットを着用することが促されると期待されています。そして、この新交通法案は、まもなく国会へと送られるそうです。この新しい交通規則法によって、少しでもカンボジアの交通事故による死傷者が減ることを願ってやみません。