2012.10 プノンペン事務所 浦田 富貴美

変わりゆく首都と変わらぬ田舎の現状

 ここ最近の首都プノンペンの変わりようを少し紹介したいと思います。

 

人口密度

 人口1,340万人、プノンペン市133万人・面積194平方q(国土のわずか0.16%)。プノンペン市の人口密度4,516人/平方q(日本の人口集中地域に相当:2008年人口調査)でした。しかし現在、プノンペンは、東京都の人口密度と同じくらいだと言われています。(参考:東京都6,025人/平方q)

カナディアタワーとワタナックタワー

高層ビル

 2009年11月に32階建てカナディアタワーが完成。これまでは、インターコンチネンタルホテルの15階がプノンペンで一番高いビルでした。テナントには、カンボジアの大手カナディア銀行だけではなく、イギリス、スイス、日本、アメリカ、オーストラリア等の企業が含まれるとのことです。不動産業界によると、カナディアタワーは立地と品質がよく、現在唯一のグレードAのビルだそうです。
 そして、そのすぐ隣に現在建設中なのが、ワタナックタワー。38階建ての船の帆船のような形をしたビルです。これが完成すると、プノンペンでは一番高いビルの完成になります。

カンボジア証券取引所

 2012年4月18日にプノンペン水道公社の上場株式取引きが開始されました。
 韓国証券取引所の支援を受けています(韓国45%出資)。カンボジアの前に、ラオス証券取引所が先行オープン、法令やシステムもラオスと同様の韓国式です。取引通貨は、リエル(カンボジアの通貨)。株主の6割がカンボジア人、4割が外国人です。現在の課題は、株式市場がオープンしましたが上場企業が水道公社の1社のみであることです。

イオンモール

 イオンモールが2014年の開業を目指しています。プノンペン市街地の東、バサック川に面した土地に総床面積10万平方メートルのモールを建てる予定です。地上3階(一部4階)の低層ですが、出店数は150店。プノンペンで最大級のショッピングエリアとなります。
 集客のターゲットは「若いファミリー」。人口の7割が30代以下の国で、購買力を持つ働き盛りの人口は、末広がりに増えているからだそうです。

田舎の様子

 こういった首都プノンペンの変わりようとは裏腹に、その一方でいまだ変わらぬ状況がASACの活動地のような田舎に行けば残っています。
 例えば、小学校の教室には電気も水道もないところがほとんどです。あるローカルNGOが雨水を利用した水道をトイレに併設する取り組みを行っていますが、これもまだまだ十分ではありません。また、小学校の退学率。小学校への就学率は9割を超えますが、6年生まで通い続ける子どもたちは6割程度です。また、その後の中学校への進学率は3割程度。校舎の不足や傷んだ校舎の補修も行き届いていません。また、退学した子どもたちがそのまま成長し、非識字者として生活をしています。
 そう考えると、首都プノンペンの発展ぶりと田舎の変わらぬ現状はまるで光と影のようです。経済がただ発展すればよいとは思いませんが、少なくとも田舎でも都会でも平等に子どもたちが質の良い教育を受けられる状況に一日でも早くなってほしいと、首都プノンペンの発展する姿を見ながら願っています。