2013.4 プノンペン事務所 浦田 富貴美

本は心の栄養〜ASACの図書支援

 本から得られるものは無限大です。身体の成長が著しい児童期に、欠かせないのは食べ物からの栄養です。それと同じように、心も大きく成長していくこの時期、心の栄養と言えば、本だと思います。本を読めば読むほど、子どもたちの心は大きく、大きく成長します。
 しかし、カンボジアの地方の田舎の村には、教科書以外の読み物がないというのが実情です。学校に図書室を備えていないという小学校も、まだまだ多くあります。もっと言えば、児童向けの本の種類自体も非常に少ないのです。子ども向けだけではなく、クメール語の本自体もカンボジアには少ないのです。そもそも、そういった本を書く作家もほとんどいないのです。

ASACスタッフによる本の紹介
身を乗り出し立ちあがって話を聞く
 カンボジアでは、SIPARというフランスのNGOがカンボジアの中でも多く児童書や本を出版していますが、それでも本の種類は71冊。これは、大人向けのものも入ります。日本のように学校にも図書室があり、町や市にも公立図書館があるなんてことは、まだまだ時間がかかりそうです。
 そういった状況の中、昨年度よりASACとして図書支援を行う機会がぐっと増えてきました。先ほどのSIPARから購入した図書の総額も、2011年度に比べ2012年度は2倍以上になりました。2013年の今年は、すでに図書室がない学校5校への図書支援を進めています。
 そこで、そういった図書支援をする際には、せっかくの機会なので、ただ図書を寄贈するだけではなく、子どもたちに、本にもっと親しんでもらえるような図書活動も一緒に取り入れることにしました。その内容は、ASACスタッフによる「絵本の読み聞かせ」「本の紹介」や「大型紙芝居」等です。

 つい最近、味の素労働組合様の支援により3校の小学校に、図書と本棚の寄贈を行いました。
 絵を見せながら、スタッフが本を紹介し始めると、本に吸いつけられるように話を聞く子どもたち。身を乗り出してまで話を聞く姿。面白い場面が出てくると、思わず立ち上がってしまう子どもたち。そんな姿を見ながら、表現はあまりよくありませんが、カンボジアの田舎の村の子どもたちは、まさに、「本に飢えている」と実感する瞬間でした。そして、少しでもこういった子どもたちが、本に触れる機会を増やしていきたいと強く実感する瞬間でもありました。  これからさらに、カンボジアの子どもたちに図書の支援を通して、読書の大切さを伝えていけるよう、私たちも精いっぱい努力していきたいと思います。