2013.12 プノンペン事務所 浦田 富貴美

カンボジアの小学校の先生

 カンボジアの公務員の給料は、まだまだ安いのが現状です。中でも、2部制で学ぶ小学校の先生は、1部(午前か、午後)しか教えない場合がほとんどですので、高校や中学の先生の給料よりは、かなり安くなります。現在、味の素労働組合様の支援で、カンポット州トゥックチュー郡に小学校の校舎を建設しています。その建設の様子を視察に行った際に、たまたま午後の授業が始まる前に到着しました。すると、先生らしき男の人がかき氷を売っているのを見かけました。その後すぐにチャイムが鳴り、授業が始まりました。やはり、小学4年生を受け持っている先生でした。
 今年の7月、国政選挙があった関係で、政府は、学校の先生の給料を上げると発表しました。そのため、以前よりは暮らしはよくなったのかなと思っていましたが、まだこうしてお菓子を売っている先生の姿をみかけましたので気になり、その先生へインタビューさせてもらいました。

授業の様子(ミエンレッ小学校)
先生が休み時間にかき氷を売っている

出身は?家族は?

カンポット州のダントン郡(隣の郡)です。家族は、妻と息子一人(10ヶ月)です。

先生になられたのは、いつですか?

4年前です。ダントン郡で2年間教え、その後結婚し、妻の実家があるトゥックチュー郡に来ました。妻は、隣の中学校の教師をしています。

教員養成校へは行きましたか?

はい。カンポット州の小学校教員養成校に2008年から2010年まで通いました。卒業後、すぐに先生になりました。

なぜ小学校の先生になったのですか?

小さい子どもたちの手助けをしたいと思ったからです。しかし将来は、大学の先生になりたいと思っています。そのために、毎週土日には、カンポット市内にある大学に通っています。現在、3年生です。地理学を専攻しています。

教えるのは、大変ですか?

教えるのは、そんなに大変ではありません。ただ、勉強に必要な文房具(ノートやペン)が揃っていない貧しい子どもたちがいるのが大変です。

昇給するという発表がありましたが、先生の生活は、まだ大変ですか?

昇給するという話は知りませんでした。まだ給料は、同じです。子どもがいる上に、自分が大学に通っているので、大変です。

休み時間にかき氷を売っているのを見かけましたが?

はい、家計の足しにしています。一杯300リエル($0.075)です。氷を削ったものにコンデンスミルクやシロップをかけたものを売っています。クーラーボックスいっぱい詰めて全部売れれば、$10くらいになりますが、そんなに売れません。売れても$8くらいです。

 驚いたことに、地方の田舎の先生たちは、政府が給料を上げるといったことを知りませんでした。そして、政府は発表をしたものの、いまだ予算がつかないからでしょうか、昇給をしていませんでした。
 これまでも、カンボジアの小学校の先生は給料が安いため、こうして学校の中や教室の中で駄菓子などを売る副業をして、小銭を稼いでいました。そのため、純粋に「教える」ということに集中できない先生が多く、教育の質の課題もありました。しかし、まだまだその現状は続いているようです。