酷暑の中、人海戦術の
カンポットクロン中学校建設事業
正木調整員より

 4月はカンボジアの正月でもあり、暑さがピークになる季節です。
 異常気象のせいか乾季に雨が降ることもしばしば有り、薄曇の日が多いですが雲を通してくる日差しが暑く感じられます。朝8時頃現場に30分居ると汗が流れてきます。
 最近は停電が多いです。理由は暑さのためクラーがフル稼働するため電力が不足し停電になってしまうそうです。停電になると事務所は蒸し暑く開店休業になってしまいます。
 又、4月は果物の季節。国道を走っていてもマンゴ、ジャックフルーツ、パパイヤ、ドリアン、パイナプル等々たわわになっています。カンボジア人に言わせると「カンボジアの果物は天然そのものだから一番美味しいのだ。」と自慢しています。栽培された果物を食べなれている私には一番美味しいとは思えませんが、旬の果物は其の国独特の味があり美味しく味わう事が出来ます。
 5月末に開校式を控えたカンポットクロン中学校の建設は順調に進んでおります。建設工事は全てが人海作戦です。労働費が安いから機械化なんかは考えられないのかもしれません。
 日本では機械化、機械化で人間のする作業はどんどん減ってきていますが、運搬する事、持ち上げる事全て人力だけで行っています。逆にこんな遣り方があるんだと参考になることが多々あります。セメント、砂、水、全て揚げるのは滑車一つだけで人力で行っています。
屋根の瓦などは10人位の人が並んで手渡しで屋根の上に運んでいます。4000枚からの瓦を2日間で葺いてしまいます。
 レベルを測るのは水レベル、傾きを見るのは下げ振り、全て人間の目で決めていきます。機械らしい機械と言えばコンクリートミキサーぐらいです。作業をしている人をみているとだらだらと動いているように見えます。もっとさっさと動けないのかと思います。しかしこの暑さで一日中屋外の作業をしているのですから仕方ないのでしょう。でも毎日着実に工事は進んでいます。さすがクメール建築の血が脈々と伝わっているのだと感心させられます。
 北部の地方に行きますと長閑な田園風景に見えます。放牧された牛が自由にえさを探し動き回り、雨季になると田植えが始まるのだなと感じます。しかし雨季も終盤近くなると長閑な田園も一面の水につかってしまいます。高床式の家も沢山ありますが高さはまちまちです。多分お金の有る無いで高さが決まるのではないかと思いますが、高床式の家も水につかってしまい生活は出来なくなり、水が引くまでは疎開をするそうです。9月に飛行機から見た事がありますが、土の出ているのは道路だけでした。この道路も水量が増えると水に浸かってしまうそうです。
 日本ですと治水対策がどうのこうのと問題に成るでしょうが、カンボジアでは自然と共生しているような感じがします。自然に人間が従うのが良いのか、人間が生活しやすいように自然を変えるのが良いのか色々議論は有りますが、カンボジアでは自然に従わざるを得ない環境に成っているのでしょう。
 今年は豊作に成るよう祈らずには居られません。

(カンポット 正木信敬)