2007.11
眞野 ちひろ(プノンペン事務所)

カンボジアのお月見と水祭り


お月見の祭壇

河辺に浮かぶ電飾船

旧校舎の前で
生徒・村人・JMAS関係者と

 華僑の多いカンボジア、特にプノンペンでは「お月見」の行事を年に2度行います。1回は日本と同じく旧暦9月の十五夜でこれは中国式。そしてもう1回が旧暦10月の十五夜で、ココナツジュースや新米を突いて炒ったもの、バナナなどをお供えし、月に向かって祈ります。今年も11月24日にこのお月見がカンボジアの各家庭で行われました。
 さらにカンボジアではこのお月見の日を目指して全国各地で水祭りと呼ばれるボートレースが開催され、その生え抜きたちが11月23日から25日の3日間、プノンペンの王宮前でボートレースを展開します。この3日間はカンボジア各地から多くの人がプノンペンへ見物に押しかけ、プノンペンの河辺の道路は全て歩行者天国。そのほかの道路も大渋滞、ホテルは全て満室となります。私も今年は水祭りの人ごみ見たさに王宮前まで繰り出し、野外コンサートや屋台を楽しみ、ボートレースの後に行われる花火や華やかな電飾船パレードを見ました。
 この3日間を思い思いに楽しむカンボジアの人たちを見ていると、この国は本当に平和になったんだなぁ、と感じることが出来ました。

国境の街はバーツで考える

 話は変わって、11月27日にはオタクラー小学校の着工式を行いました。場所はカンボジアの最西部バッタンバン州。タイ国境まで数キロ地点の村で、物も人もタイの影響が色濃く、驚きの連続でした。何よりも先ず驚いたのが、着いた途端にタイの電波が入ってきてしまい、カンボジアの携帯が使えなくなってしまったこと。そして村のいたる所にタイの電力会社の電線が張り巡らされ、カンボジアの他の地域ではまず見られないくらい電力が各家庭に行き渡っていること。また人々がタイの通貨「バーツ」で日常生活を行っていること。聞けば、村の外れに正式には認められていない村人たちだけの国境があり、そこから村人が出稼ぎに行ったり買い出しにいったりしているので、タイの影響が強くなってしまうのだということでした。
 着校式は、今回この学校建設の話を岡村理事長に持ちかけて下さったJMAS(日本地雷除去を支援する会)のご協力の下、村人や生徒、また地雷除去の関係者も参加して行われました。村人の嬉しそうな表情と、多くの感謝の言葉を聞くと私までジーンと感動し、さらにJMASの方の「JMASが関わった元地雷原に建つ初めての学校になる」という話を聞いて、ASACがここに学校を建てることの重大さを実感し身の引き締まる思いがしました。
 ちなみに、このオタクラー村は、プノンペンからバッタンバン州都まで車で4時間、さらに車で未舗装道路を4-5時間かけて行くような所なので、来年3月の開校式の時に日本からいらっしゃる皆さんで腰に自信のない方や車に酔いやすい方は、タイの首都バンコクから車でお越しください。きれいな舗装道路を4時間走って国境を通過すれば、すぐにこのオタクラー村に到着します。そちらのルートの方がプノンペン回りよりも安いですしお勧めです。