2008.8
眞野 ちひろ(プノンペン事務所)

2008年カンボジア国政選挙の報告


監視員用の特製ジャケットを身に着けたピップさん(右)とコンティアさん
 カンボジアにとって93年のUNTAC主導選挙以来4回目となる国政選挙は、去る7月27日平和裏に終了しました。ASACからは計9名が国際選挙監視員を務め、揃いの特製ジャケットとIDカードを胸に、カンポット州、ケップ特別市、プノンペン市、カンダール州、コンポンチャム州、クラチェ州の各投票所を手分けして視察しました。監視といっても各投票所を見て回り、その所感を選挙管理委員会に報告するだけなのですが、外国人である私には"選挙に参加している"という感じがして、嬉しい体験でした。
 国政選挙も4回目ということで、さすがに晴れ着で投票へ行くような人はいなくなり、若者の中には投票に行かない人までチラホラ見られるようになりました。しかしそれでも人々にとっては選挙の日はやはり何か特別らしく、当日は市場や商店はほとんど閉まってしまい、町はお盆かお正月のようでした。
 投票は朝7時から始まり、午後3時で終了。即日開票され、翌朝には全国の結果が出ていました。この辺は前代表眞理子さんの本に出てくるような93年当時から大いに進歩していると思いました。皆どういうわけか朝早く投票に行きたいようで、開始直後の午前9時までが一番混み、長蛇の列。文字の読めない人が読める人に頼んで、投票所の前に張り出されている有権者名簿から自分の名前を探してもらう光景も沢山見られました。
 投票は朝7時から始まり、午後3時で終了。即日開票され、翌朝には全国の結果が出ていました。この辺は前代表眞理子さんの本に出てくるような93年当時から大いに進歩していると思いました。皆どういうわけか朝早く投票に行きたいようで、開始直後の午前9時までが一番混み、長蛇の列。文字の読めない人が読める人に頼んで、投票所の前に張り出されている有権者名簿から自分の名前を探してもらう光景も沢山見られました。
 個人的に一番面白かったのが開票作業。3時の終了と共に各投票所はそのまま開票所となり、投票所スタッフが開票作業を行い、それを各政党から派遣された監視員が見守ります。投票用紙にはチェックマークではなく、波型のような記号が書かれていたり、投票者自身のサインが書かれていたり、投票用紙以外のものが出てきたり。これらはすべて無効票なので話は早いのですが、中にはどの政党にチェックを入れたものなのか判別が微妙なものもあり、各政党の監視員が喧々諤々意見を戦わせていました。
 なお、当日特に大きな事件は聞きませんでしたが、多く指摘されたのが"有権者名簿に名前がないために投票できない"というトラブルでした。遠くから投票に来たのに投票できなかったと言って肩を落として帰る人の姿を私も目にし、とても気の毒でした。有権者登録のシステムに問題があったことと共に、与党が組織的に名前の削除を行った疑惑も浮上しています。ただ、これまでのカンボジアは選挙=治安が悪くなるというイメージでしたが、今回の選挙を見ていて、まだ民主主義が根付いたとまでは言えないまでも、少なくともカンボジアもようやく安全に選挙が出来るようになった、という印象を受けました。次の選挙は5年後の2013年。その頃のカンボジアがどうなっているのか、また楽しみです。