2009.6
眞野 ちひろ(プノンペン事務所)

カンボジアで結婚しました

 プノンペン事務所はここ数ヶ月結婚式が続きました。識字教室の女先生、学校建設アシスタントのナレ、そして・・・なんと私まで。そういうわけで、今回は滅多に体験できないカンボジアの結婚式の裏側をご紹介します。
 式は午前中の伝統的な儀式と夕方の披露宴に分かれます。大家族社会のカンボジアなので、私たちは午前中150人、夕方は600人のお客さんを招待しました。うっかり友人や親戚の誰かを招き忘れてしまうとその後は絶交ですので、気をつけなければなりません。また招待状はすべて手渡しという習慣があり、どんな田舎へでも時には泊りがけで行き、直接本人に招待状を渡します。この作業を新郎新婦の一家総出で行い1ヶ月以上を費やします。当日の準備も念入りです。午前3時から美容師さんが自宅に来て、目の周りが真っ黒になるような派手なお化粧をします。しかも新婦の私だけでなく、お付きの女性3名(その役はASACスタッフのピップにも頼みました)など様々な女性のお化粧と衣装付けも行い、午前7時から式が開始です。ちなみに新郎の準備は5分で済みました。どこの国でも結婚式のお婿さんはお飾りにすぎないようです。
行列をなしてやって来た新郎一族を迎える私たち
 カンボジアは婿入り婚が基本のため、結婚式は本来新婦の家で行い、新郎はその後、新婦の家で暮らします。しかし私の場合は実家がカンボジアにないため新郎の自宅で式を行いました。最初の重要な儀式が「新婦の家までの練り歩き」です。新郎側のお客さんが花やキンマ、ビンロウ(いずれも嗜好品)、お菓子や果物、豚肉牛肉といった引き出物64種類128品をひとり一品手にとり、家の外300mぐらい先から行列を作って歩いてきます。もちろんその間、道路は車両通行止めとなります。行列が自宅の門に着いたところで、新婦がお出迎えです。車両通行止めといえば、結婚式をする家の前の道路も必ず車両通行止め。そこにテントを張って、お客さんの座るテーブルと椅子を並べるためです。カンボジアではこんな光景が日常茶飯事です。
 その後、両家の挨拶、指輪の交換、髪切りの儀式、赤い糸を結ぶ儀式、先祖に祈る儀式、と続きすべてお色直しをします。式はアチャーと呼ばれるお寺の長老の司会進行によって進み、背後では古典楽器の生演奏が繰り広げられます。その間、お客さんは外のテントで朝ごはんのおかゆを食べたり、式の様子を見に来たりしながら過ごします。髪切りの儀式とは参列者一人一人が新郎新婦の髪を切る(ふりをする)儀式です。赤い糸を結ぶ儀式とは、参列者が新郎新婦の手首に赤い糸を結ぶもので、両方とも二人の幸せを祈る儀式です。こうして手首に結ばれた赤い糸は1週間ほどそのままにしておくため、手首に赤い糸が大量にまかれている人を見れば「あぁ、新婚さんだな」ということになります。なおこの糸、1週間後の良き日にお寺へ行ってお坊さんに切ってもらうと聞いていたのですが、なんとある日の朝、夫の母が私達の所に大きなハサミを持ってやって来て「二人が幸福で健康でありますように、ムニャムニャ(お祈り)エイ!」と言ってジョキンと切ってしまったのには驚きました。これには夫も目が点。面白いお義母さんです。
 午後の披露宴については以前このニュースサバイの88号でご紹介しているので割愛します。これからもカンボジアのために、文字どおり地に足をつけて頑張って参ります。