平成20年度国際ボランティア貯金に係る寄附金による援助事業
住民のための識字教育の実施及び識字教師の育成
[カンボジア]

【事業地】

コンポンチャム州 バティエイ郡
タンクロサン地区:
ボンベン村  (2クラス)
クロダ村  (1クラス)
クットゥム村  (1クラス)
トムノ地区:
トロペアンスノー村  (1クラス)
ルーン村  (1クラス)
スルン村  (1クラス)
プロサン村  (1クラス)

【教師トレーニング】

会場にしている学校にPR用のバナーを掲示
 コンポンチャム州の7村で開始した識字事業では、7月に教師の選考を行い、8月の21日間教授法などのトレーニングを行いました。
 教師として選ばれたのは現職、退職の教師が多いですが、農民もいます。監督者であるブンペイン氏の丁寧な指導を受けて大人に教えることへの自信を深め、9月の開講に備えています。
 会場には、国際ボランティア貯金の支援で識字事業を開催していることを示すバナーを掲げ、村民への周知を図るとともにに雰囲気作りを行っています。
2009年8月識字教師トレーニング
9月識字教室開講
2010年1月
〜3月
3回の試験
生活日誌についての指導
はじめての手紙記入
本の配布と講読奨励
4月〜5月フォローアップ

(2009年8月28日発行の会報誌サバイ97号に掲載)

ルーン村の識字教室
【第15回識字教室開講】

 19月10日に半年間の識字教室がオープンしました。
 毎週月曜日から土曜日までの毎日2 時間の授業に備えて、各教室に蛍光灯、バッテリー、白板、テキスト、文具などを配布しました。どの教室でも生徒さんたちは、読み書きを学ぶ期待にあふれた表情をしていました。半年後には初めての手紙をどのように書いてくれるでしょうか。

(2009年10月30日発行の会報誌サバイ99号に掲載)



【識字教室実施中】

 識字教室は現在テキスト3(最終)を学習中で、コースも終盤に入りました。
模造紙に書かれたクメール語を読んでいく
 生徒は各テキスト終了時、合計3回の地域貢献活動をします。これは生徒に協力・奉仕の大切さを伝え、地域に事業を理解してもらうためです。ポルポト時代を連想して共同作業を好まない人々にとって、地域の絆を回復するという意味もあります。テキスト2を終了した時は、集会所、お寺、教室の清掃、捨てられたプラスチックごみの焼却、村内の井戸掘りの手伝い、寺のトイレ設置の手伝いなどを行いました。
 2月は乾季米植え付けや収穫で忙しく生徒は学習時間を取ることに苦労していますが、教師は学習の大切さを話し生徒を励ましています。
 教室は3月に閉講し、その後生徒たちは学んだ文字を忘れないように5月まで先生と学習を続けます。

(2010年2月24日発行の会報誌サバイ100号に掲載)

【識字教室終了】

 6ヶ月間の学習が終了し3月11日、閉講式が行われました。
 その後3ヶ月間、生活家計日誌の記録と、自分の希望にそって配布された本の講読によって読み書き計算の力を定着させるようにしていきますが、生活家計日誌については早くも成果が出てきています。前回事業の結果から、生活家計日誌を閉講式後からではなく、教室での学習段階から実施することにしました。その狙いどおりに効果が現れ、生徒さんたちからは、日誌を付けると学んだ文字を忘れずに覚えやすかった、家計記録を付けると収入や支出の事が良く分かるようになったので、お金をためることができ、人に騙されることもなくなった、などの感想が聞かれました。

(2010年4月23日発行の会報誌サバイ101号に掲載)

【事業の成果】


配布した本とノートを手にして笑顔
 この事業で95%の生徒が最終テストに合格しました。昼間は労働し、夜学ぶという困難な状況の中で、最後まで学びとおした生徒さんにとって、合格および修了式はこれからの人生への新たな出発点ともなるものです。
 一方で、村人たちが文字を使う機会はまだ少ないので、せっかく習った文字をいかに定着させるかが最近のASACの識字事業の課題の一つになってきました。この2年間、受講者の関心、希望に沿った図書を配って本を読む機会を作るということに取組んできましたが、今回の事業ではさらに村内有志の自宅にミニライブラリを設置して、誰でも本が読めるようにする試みを行いました。
 生活日誌をつけることも、書く力、計算する力を増すのに大いに役立っていることが、生徒さんたちへのインタビューで明らかになりました。いずれも、次の事業でさらに展開していく予定です。

(2010年6月16日発行の会報誌サバイ102号に掲載)

【ミニライブラリ設置】


識字教師、ミニライブラリを受取って笑顔の生徒たち
 ASACが行う識字事業では、非識字者が6カ月かけて読み書き計算を習いますが、実際の村の生活では文字を使う機会が多いとは言えず、中には忘れてしまう人もいます。そのために2006−2007年の事業から、修了した生徒に本を配布することを始め、2007−2008年の事業では生活日誌を付ける指導を始めました。そして今年2009−2010年の事業として、村にミニライブラリを設置することにしました。
 村長や識字教師の家にミカン箱大のプラスチックボックスを置かせてもらい、短いお話、小説、JICAのニューズレター、新聞などたくさんの読み物を入れました。
 ミニライブラリは生徒にとても喜ばれています。クロダ村識字教室の生徒スレイモウさんは次のように話しました。
 「ミニライブラリがあってとても嬉しいです。毎日いろいろな本が読めます。私はここにある本は全部読んでしまったのでこれからも本を配布してほしいです。ミニライブラリがあるので識字教室で勉強したことを忘れません。」

(2010年8月27日発行の会報誌サバイ103号に掲載)